■ 抄録・要旨
| 硫黄分を大量に含む粉炭や低品位石炭等を粉砕し、それに大鋸屑や稲藁等の廃棄バイオマスと硫黄固定剤である消石灰を混合して高圧成型し、タドン状のバイオブリケット(BB)を調製した。このBBは、バイオマスの粘結・混合効果により高い強度、良好な燃焼性を示し、原炭燃焼と比較して、硫黄酸化物排出を8、9割低減できた。経済性、現地適応性ともに高く、発展途上国への我が国の円借款事業の対象にもなった。また、この燃焼灰は塩基性であり、BBによる大気汚染・酸性雨対策、BB燃焼灰と窒素分を補うため豚糞堆肥の同時施肥による酸性土壌地域でも、二十日大根を適切に栽培できることを明らかにした。バイオマス廃棄物として窒素やリンを効率的に吸収するヨシ、ガマやホテイアオイなどの水生植物を使えば、富栄養化対策、さらには温暖ガス排出抑制からなる廃棄物を発生させない地域完結循環型環境保全対策が可能である。
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